VIOLENT VIDEO INFO ARCHIVE

本拠は http://m4oism.org/xxx

プライベート・ソドミーニアック『嘆きの健康不良児』

#肉体について

誰でも身体に何らかの異常を抱えている物だと思いますが、
私は体の先端部分に大量の良性腫瘍ができるという奇病に冒
されており、耳朶にビー玉くらいの謎の腫れ物ができた時は
治療困難で病院を盥回しにされた挙句、藪掛かった医者の手
によって右耳の3分の1を失うことになった。それ事態はどう
でも良いことだが、手術後にホルマリンか何かに漬けられた
摘出された己の白い肉片を見せてもらった時は個人的な趣味
を満足させられたほどであり病苦が生み出した意外な副産物
というのも中々愉快な趣き富んでおり、売春行為で得られる
に近い陶酔を感じたものです。

この時、医者が小さな試験管のような物に入ったそれを言い
難そうに持って帰りますか?と尋ねてきた。咄嗟のことで要
らないと言ってしまったが、今となって惜しい気がしている。
恐らく肉体の一部を摘出した患者には皆そう言っているのか
も知れないが、死者の毛髪の一部を切り取り懐紙に包んで保
存するような行為にも似た、日本人のネクロフィリアックな
素質を多く含む死体観を垣間見た貴重な体験であった。

貴方も将来、身体の一部を外科院で摘出するような事があれ
ば担当医にねだって包んでもらうと良いだろう。眼球や肝臓、
ペニスやクリトリス、脳髄や心臓、果ては流れ出た胎児まで。

愛する伴侶などに先立たれた人も落ち込まず、その遺体を大
きな水槽に収めまるで水中花のようにその美しさを半永久的
に保存してみてはどうだろう。その際、防腐処理を怠ると取
り返しの付かない事態がおこる可能性があるので要注意。ガ
スが溜まり水槽が破裂したり、内臓を抜かずにおいたため臍
や肛門から出てきたり、挙句には目玉や糞が飛び出たり。こ
れは恐ろしいことですね。もっともその崩れてゆく肉体を眺
めながら悲嘆に暮れるのもまた一興なのですが、どのような
形にせよ死体損壊罪で捕まるかもしれません。

人体におけるフェティシズムの極みとしては、人間の顔の皮
を重ねたレザーフェイス、人間の頭髪で編まれた毛布、人骨
を削った燭台、などあげつらえば限が無くなるでしょう。し
かし、このような趣向を凝らした品を作るのは常に犯罪と隣
り合わせ。他者の素材を使わず、これらの物をを自給自足す
るという精神もまた大切なのでしょう。

#痛みについて

この耳の腫瘍によって味わった苦痛はこの先私が何年生き恥
を晒すのか分からないが、ちょっとの事では塗り変え難い記
録であった。今日まで生きて味わった身体的苦痛の中で上位
を占める物はすべてこれによってもたらされたと言ってもよ
い。大きく分けて以下の三つにまとめた。

一・右耳を起点に全身にまで届く熱、炎症によっておこる強
烈な虫歯痛に酷似した痺痛。とくに眠って寝返りをうった際、
腕が耳に直撃して失禁しそうになったのが印象的だった。
二・手術の前、筋肉に打たれた麻酔の注射。情け無いことに
私はこの注射で痛さのあまり失神してしまった。しかも失神
したのは手術怖さと勘違いした看護婦により、もう1発抗不
安剤を打たれ半泣きになった。感想としては畳針で腕を刺さ
れたような痛みと言った所か。
三・実際に手術台で執刀された手術。麻酔が効いているので
一や二のような鋭い痛みではないが、肉を切られる感覚・針
で縫われる感覚の伴なった鈍痛は、今まで味わったことの無
い種類の痛みで大変気持ち悪かった。

今では拷問のような責苦は行われる事は殆ど無いであろうが
将来、運良くそのような環境に立ち会える機会があるに備え、
上記の三つの痛みを参考に当てはめて遣り方を考察してみま
しょう。

痛みの瞬発力に関しては二のような物の方が過酷ではあるが
反面、脳を強く刺激してしまいそこから分泌されるモルヒネ
的な成分によって、こちらの望むような表情を覗えなくなる
場合があります。よって頻繁に行使するのは終盤まで控えて
おくべきだろう。

自白など相手の羞恥心などに強いるような場合、一のように
苦痛の振幅に緩急をつけ波を立たせると、分裂的な物から正
気を残した物までより理想的な声で鳴かせることが可能にな
るであろう。


不落の牙城を抜く事に悦を見出す向きには三を当てがってみ
ましょう、個人的に面白いと思うのは聴覚に訴える方法。か
つて積もった雪が屋根から落ちる音に一日中、脅え続けると
いう妙な体験をした事があり、音と言う物は想像以上に心を
揺さぶるのだと実感しこれを取り入れない手は無く、対象の
嫌う音を探し出し効果的に使えば色々と楽しめるだろう。

痛みを感じない人間が本当に存在するのかどうか分からない
が、次回は肉体的痛覚の無い及び感じない人間を責める方法
を深く考えてみたいと思います。

※参考資料拷問全書、自宅で作る拷問室、500円で揃える精
 神兵器、惨画写蝕図、気違い女製造工場

偽・青年の性的闘争

))Impurity of youth

私の身の回りの人間がことごとく思春期を迎え始めたようで
全身から精液臭を放ちまるで畜場に居るような不快を感じる
口開けば、それ女の話、風俗の話・・・
金も人望も無いのに女を抱こうなど土台無理な話です
そんな事を言っているうちにも処女膜は次々と破られてゆき
劣等遺伝子は繁殖し続けます
人口比では男の方が多いのですから、もたついていると瞬く間に
挿入の余地は消える
それならいっそ強姦者になって崇高な犯罪に手を染める事を私は勧める
がしかし、その様な不健康な俗悪な下らない考えを抱かないよう
健やかに人生を中断させる為の方法を今から述べていきます

))Derision from the past

昔は自慰をやり過ぎると馬鹿になると言われていたが
現在ではそのような風潮はなくなりせいぜい母親にエロ本を発見され
気まずくなる程度だろう
しかし、やはり私はやり過ぎると馬鹿になると思います
最低、私とその視界に入る人間たちは馬鹿になった
性欲などとは無縁の幼少期、一人遊びと言えば蟻の巣水責めや
足長蜂の巣攻略だった
両親の庇護と人道主義の元、絶対的存在だった幼年期は無惨にも終わりを告げ
ポルノ雑誌片手に肉体の突起や排泄器官を眺め性器をこする姿は
あまりにも馬鹿だ
では実際、性欲を捨てるにはどうしたら良いのかと言うと
私は射精による快感を限り無くゼロに近づける方法を選んだ
以下より詳しく解説していくが、己を発狂寸前まで追い込む事により
ヒトは射精を排泄程度にしか感じられなくする事ができる
もし性交や射精に快楽が伴わなければ人間はここまで増えなかっただろう
どうやら私たちは増え過ぎた・・・

))A counterfeit orgasm

いささか安易な気もしますが、取っ掛かりとして2次元や無機物に走るのも良い
しかし、あくまで生身の肉体への興味を無くす程度にとどめましょう
あまりそちらへ進み過ぎると抑制した欲求が歪な再結晶を始め、挙句
「現実の女よりアニメの女の方がいい!」
「エロスの無いロリータでなきゃ駄目だ!」
などと寝言をほざく変態に成り下がります
この手の人間は一つの文化として立派に評価されているので貶めるつもりは
ありませんが
ただ重要なのは代用品など必要としない完全な状態を目指すこと

ここまでが建前。これからは実行に移してみましょう


■人 体 改 造

手っ取り早く睾丸を切除してしまえば取り敢えず精液の供給は止まります
しかし、胃を切除しても食欲が完全に無くならないのと同様
基本的に己の中から性欲を叩き出さない限り安心できません
手術代もかかりますし肉体の一部を切り取るという行為もかなり勇気を要しますので
お勧めはできません、あくまで他の手段を補う程度のものだと考えてください
あと女性ホルモンまたは男性ホルモンを注射し肉体のバランスを
変化させるという手段もありますが
ホモセクシュアルやレズビアンにならないよう注意しないと元も子もありません
いっそ死んでしまうのも一つの手ですが、性欲云々の範疇を超えてしまうので
考えてはいけません

■精 神 汚 染 1

強姦告白本などを読むと強姦された以後、性的表現を含んだ物を見ると
嘔吐しそうになるなどという手記が寄せられています、心理的外傷という物です
強姦された者にとって性欲とは快楽ではなく嫌悪の対象になってしまった訳です
このようにあなたも滅茶苦茶に犯されて、性的快楽を性的嫌悪へと
シフトチェンジさせましょう
男性の場合、女に強姦されるという場面にはなかなか遭遇できないでしょうから
手っ取り早くハードゲイ(黒人とか)にでも犯されましょう
あと、母親と姦通するという男性のマザーコンプレックス的側面を利用するのも
効果有りです

以上いばらの道でした。これよりは現実的な方法

■誓 約 と 暗 示

まず己の中に目標を立てましょう。金・名誉・地位・最終解脱・・・など何でも構いません
その目標と引き換えに”生涯不犯”を貫くという誓いの刃を心に突き立てます
だからと言って願いが成就する訳ではありませんが、性欲の消去という面に於いては
絶大な効果を発揮します
さらにこの方法に暗示を混ぜる事によって高い相乗効果を持たせましょう
SEXすると地獄に落ちる、呪いで畸形児が生まれる、寿命が縮む(延びる)、
性欲を抱くと知能の低下する等、なるべくマイナス寄りの思い込みを
頭に刷り込み続けましょう
デタラメな事でも構いません、嘘も長い間つき続けるとついてる側もそう信じ始めます
精神が身体に齎す影響は考えている以上に大きいものです
このやり方は相当の精神力を要しますし、社会的対人的にかなりの悪影響を
およぼしますので、狂っても構わない、という人以外は慎重に行って下さい

■精 神 汚 染 2

精神汚染1の効果をより少ない苦痛で長い時間をかけて得るのがこの方法です
昔、ある漫画でヒトのあらゆる残酷非道な行為を収めたビデオを見て気が狂うと
いう話がありました
それと似たような事を自分自身に科します
吐き気を催すような物・生理的嫌悪感を逆撫でする物・人道的に見て許されない物・・・
例えば、猟奇小説・死体写真・ハードコアポルノ漫画・ホラー映画・性犯罪
および異常性欲に関する資料など好き嫌いをせず進んで摂取し、
それらに囲まれ何年も生活しましょう
その内、顔付きが変わってきた・人間不信になり始めた・神経症になった・
何を食っても不味い・自分の性器が醜くて仕方ない・男性器が凶器に見える・
女性器に噛み付かれそうだ・死体が見たい
と言った症状が出始めれば順調に汚染は進行しています
ここまで来たら前項の誓約と暗示を併用し徹底的に心を叩き潰します
退路は確実に断つこと
この間に発狂して自殺したり人を殺してしまったりする場合があるので
頑張りましょう
上記の症状が何ヶ月あるいは何年続くのかは個人次第ですが、
あくまで通過点と捉えて下さい
これらを実践するにより人間は射精が排泄程度にしか感じられなくする事が可能です

手元にある漫画本の中から比較的汚染作用の強い物を軽く参考までに紹介しておきます

「どぶさらい劇場」山野一
「白の黙示録」三条友美
「K9」海明寺裕
「発狂ロストヴァ−ジン」矢追町成増
「脆性破壊・唇歯輔車」パラシュート部隊
「BLACK BRAIN」サガノヘルマー

))Sexual escape...

最後にただひとつ、こんな事を実行しても何の役にも立ちません
このようなマゾヒスティックな生活を送っても余計に生き苦しくなるだけです

キチガイ女製造マニュアル

第6回自殺オフを開いた時みんな気違い少女が好きだみたいなことを言っていたのですが、
その辺りの気持ちがいまいち分からない、という訳で理解する為に気違い小女の作り方を
考えてみましょう。身障者も何故かエロゲやアニオタとかで気違いとして設定されている
ようなので含めます。ここでひとつ言いたいのは今からそのマニュアルを考えるに当たっ
て何も参考にせず、自分の頭のみでやるということを知っておいて下さい。

とりあえず精薄、これは白痴で良いのでしょうか? 何かうんこちびってるって汚いイメ
ージしかないのですが。下の世話までしなきゃならなかったりして最悪。つぎ自閉症、唖
も含む。高校の頃クラスに自閉症の女がいて糞アニオタ連中がやたら気にかけて噂してい
たのを何度も見たのですが、これは恥だよ。そして次、不思議少女。残念ながらこれだけ
は実物を見たことが無い。いてもたいていブスだったりして何をいわんやをや。次、メク
ラ。昔、無理矢理入れられたボランティア団体で点字作ったことがあるけどあれは不毛。
他に何かあっただろうか。もうひとつ浮かぶのは必要以上に特定の人物に殺意を抱いてい
る奴。案外いたりします、正真正銘の気違い。あとはおまけでゲロ少女。以上でお送りし
ます。

■白痴.精薄編

要は遺伝子の問題、精子と卵子の問題。染色体の異常で生まれるらしいから。劣等遺伝子
持ってる人に限ります。自分で作るのが面倒な場合はそこらへんを歩いている標本を連れ
てくる、これは基本です、これでは自作では無くなりますが…。普通の人間をそういう風
にするには多分、殴ることが基本になるだろう。左右に脳をシェイクするように殴る蹴る
の暴行を加える。左右の耳の穴に電極を通し電気を流すというのも効果があるだろう。で
も虐待で白痴にはならないような気がする。ということはやはり遺伝子の問題。生殖機能
に悪影響をもたらすダイオキシンを自ら吸入して交尾、標本が育つのに数年待ちましょう。
ちなみにダイオキシン塩化ビニールの袋とか燃やすと出る黒い煙にたくさん含まれてい
るらしいです。

自閉症.唖編

しゃべらない奴。しゃべれない奴。しゃべろうとしない奴。とりあえずさらって来るなり
自分で作るなりサンプルを用意しましょう。自閉症に陥らせるにはこれも虐待でしょう。
身体的な苦痛より精神的苦痛で追い詰めてゆく方が効果は高くなります。恐らく精薄・白
痴を作るよりはた易いでしょう。性的虐待、濡れ衣を着せる、監禁など方法は色々ありま
す。具体的な方法が浮かばない時はとりあえず殴っておきましょう。基本は自分がされた
ら嫌なことを相手にするです。唖は比較的簡単ですね、舌を抜く声帯を切除するなどです。
注意点は施術後、放置しておくと死んでしまうことがあるので最低の医療技術が不可欠で
す。それでも声にならない声を出すようであればとりあえず殴っておきましょう。

■不思議少女編

私は実態をよく知りません。意味不明なことを言うとか、超能力を使ったり、オカルト的
な物に興味津々だったり、やたら高い所に登りたがったりするのでしょうか。それ系のマ
ンガや小説や雑誌を小さい頃から与えておけば良いのだろうか。定期的に薬物を与えたり、
特殊なヘッドギアを着用させたり、座禅、瞑想、解凍の強要。後はキリスト教系の幼稚園、
小学校、中学校、高校、大学へ送り込み宗教漬けにするのはどうでしょう。あと電気屋の
娘とかはどうでしょうか、電気屋には気違いが多いと何かで聞きました。まあ何も思いつ
かない時はとりあえず顔面を殴っておきましょう。

■メクラ編

これも割と簡単な部類に入るでしょう、両目を潰せばよいのですから。ここで凝っておき
たい人はどうやって目を潰すか? と言うことです。酸を使って焼くのもいいし、刃物を
使ってえぐってみたり、上の瞼と下の瞼を縫い合わせてみたりするのも良いですね。あと
目の眼球のレンズという物は宝石のように美しい物だと聞きます。それを眺めながら手を
引いて一緒に歩いてあげるのもロマンティシズムに触れる物があって良いかも知れません。
ちなみに昔、中国で幼い頃から両目を潰し特殊な芸や作法を仕込む盲妹という芸能があっ
たそうです。そういったドラマ作りも大切だと思います。

■怨恨少女編

とりあえず殴る。その一言に尽きます。オプションとして父親を殺す母親を犯す妹を切り
刻む兄を燃やす等、があります。

■ゲロ少女編

吐き癖を持っている人には永遠のファクトたる存在でしょうが、ゲロについては@ゲロや
拙著ニルヴァーナ論12項を見てください。人は如何なる時にゲロを吐くのかというと胃
にある程度の負荷がかかると出ます。その他に気持ちの悪い物や精神的に酷な物を見た経
験したといったものも挙げられます。ここで重要なのはどうのような感情意識で吐いてい
るかということです。単純に気分悪そうに吐いているだけでは面白くありません。怒りな
がら吐いてるとか笑いながら吐いてるとか喜怒哀楽すべてがきてる状態で吐いてる奴とか、
これはけっさくですね。
ゲロとは未消化の食物が少ない方が良く胃液が60%を占めてる方が高度。吐かせるには
農薬を飲ませる毒ガスを吸わせる、など方法は色々とありますが腹を殴れば問題はないで
しょう。吐いている最中に顔を殴ると手にゲロがつくので注意してください。

おわりに

如何でしたでしょうか。
これがあなたのお役に立ったのなら本望なのですが、ただひとつだけ言えることは殴れ殴
れと書いていると文章でさえ性的興奮を感じている自分が居たことです。

@アパート

偏食性の男が、隣りの部屋で気違いみたいに暴れている。壁を蹴ったり
殴ったりしていて、その震動で私の部屋に貼ってある死んだミュージシ
ャンのポスターが剥がれて落ちた。前の部屋の若い夫婦は毎晩SMプレ
イにいそしみ、隙間だらけの部屋扉から漏れる喘ぎ声が私を否応無く腹
立たせた。ひとつ下の部屋(ここは2階)の中年はゴミ漁りが趣味の変
態で、アル中。肌が浅黒く、前から禿げかかった頭がド田舎から上って
きた底辺労働者を彷彿とさせて腹立たしい。きっと、夜な夜な前のSM
夫婦のゴミを部屋の中心で広げて、あらん限りの倒錯的変態行為に浸っ
ているのだろうし、実際にそうだった。私のゴミもそいつに漁られてい
るだろうが、別に見られて困るような物など無かった。困るような物が
あるとすれば、小さい子供が食べるようなお菓子の包み紙が大量に入っ
ているくらいだろう。

壁を殴る音が止まった。隣の男の発作が止まったようだ。1日平均して
3度ほど起こるようで、日中や明け方が多い。朝寝の多い私にとっては
特に苦にならなかったが、もうひとつ隣りのサラリーマン男には地獄だ
ろう。実際、あまりのうるささに偏食性男の部屋に乗り込んで叩きのめ
した事があった。その時、何故か私も一緒にやっていて、倒れている偏
食性男の横っ腹を何度も蹴飛ばしまくっていた。そして、偏食性男が気
を失っているのをサラリーマン男と眺めながら、一緒に煙草を一服吸い
金目の物を奪って帰った。頭がおかしい男なので、別に何も言ってこな
かったが、壁を殴ったり蹴ったりするのは止めようとしなかった。なの
で、私とサラリーマン男は定期的にこいつ袋叩きにして、わずかな金銭
(この男がどのようにして収入を得ているのかは分からないが)や物を
奪うことで我慢していた。

私はバイトの無い日はいつもこの狭い部屋でぼーっとしている。今日も
そのようにしてずっと座っていると、偏食性男ではない方の隣室から、
酷く不快な和音を爪弾く音が聞こえてきた。恐らく、変則的な調弦を施
してあるのだろうその楽器は壁越しでもくっきりと、その気の滅入るよ
うな旋律を私の聴覚器官を通し脳内に送り込んでくる。その楽器の奏者
を私は知っていた。さほど遠くない過去にアマチュアのマイナーなロッ
クバンドをやっていて、ただのハードコア崩れのような男だった。彼の
演奏を一度だけ、小さなライブハウスで見たことがあるが酷いものだっ
た。演奏技術はアマチュアにおける最低水準にも達していないし、歌も
まったくメロディーに乗っておらず棒読みのような抑揚の無い声で、背
後で流れる音楽とはまったく相性が無く、詞を忘れたのか時折黙り込む
こともあった。ほとんど聞こえなかった彼の歌にこのような詞があった。

現代社会が生み出した 他虐と自虐の相互増幅実験 としての密室
だから 人は俯き外の流れる風景 を見つめる
それが 例え地下であったとしても 流れる壁を目でなぞれば良い
窓を閉じれば その場の人間の神経は 寸断されてゆく
鏡張りにすれば 気が触れる者が出てくる
人間の視界のベクトルは 胎内から出る前から 死の方角を刺している
視界の奥に存在する物は 一個体としての 人間の醜さである
それを 他人か自分の中かに見付けるかは 人それぞれで
爪を長く伸ばした 人差し指と中指を
両眼に深々と突き刺せば 盲目になれるが
盲目にも聾唖にも健常者にも 精神的な視界があり
憂鬱な視界は 今日も明日も
夢の中にも存在していて 結して濁ることは無い

私はこいつは馬鹿だと思った。冷め切っている客たちに紛れ、すえた臭
いに思わず吐きそうになった反吐を飲み込みその場を後にした。私が、
気違いの遣る瀬無さ、のような物に嫌悪感を抱き始めて久しいが、それ
を再び実感するには充分過ぎる出来事だった。そして、その帰り道で私
は通り魔に襲われ左肩を思いっきり刺された。いきなりのことで、腰抜
かし歩けなくなって苦しんでいる私の肩を担いでくれたのは、先ほど私
が唾棄の限りを尽くしていた、あのバンドの男だった。私は腹の底から
感謝しなかった。私は完全に切れた。「やめろやめろ。カス、クズ、へ
ぼげ、この低能。低能野朗! 殺すぞ、死ね! うんここの鬱病患者!
この劣等遺伝! 触るな。俺を触るな。触ったな! 有象無象の気違い
野朗! 家に火付けるぞ、カタワ、ツンボ、メクラ、カタチンバ! 畜
生畜生、死ね!」

それから私は猛ダッシュで走って帰った。家に帰ると私は卒倒し失血の
為、生死の境を散々さまよった挙句に九死に一生を得た。体が快復に向
かうにつれ、自分の中で激しい怒りと憤りが溢れ、矛先を持たない私は
隣りの偏食性野郎を半殺しにすることで晴らした。何もしていない隣人
を、蹴って蹴って蹴って蹴りまくって私は「犯罪! 犯罪! 犯罪者!
オ・レ・ハ・今、犯罪者犯罪者犯罪者犯罪者犯罪者犯罪者犯罪者犯罪者
犯罪者犯罪者!」と叫びまくって壁を蹴りまくった。そして、破顔で爆
笑しながら自分の部屋へと帰っていった。帰った直後、サラリーマン男
が偏食性男が暴れているのだと勘違いしてさらに袋叩きにした。今思え
ばよく死ななかったものだ。

バンドの男が隣りの部屋に住んでいるという事は、それから2日後に知
った。部屋に小さな女の子を無理やり連れてきて、自分で作った曲を鼓
膜が破れるほどの大音量にしヘッドホンで聴かせていた所を逮捕される
のを見たからだった。女の子は耳の穴から血が出ていた。その原因を私
が作ってしまったのだと思うと、少しだけ心が痛んだ。それ以来、私は
ヘッドホン恐怖症に陥ってしまった。隣りの男とは言うと、何とか執行
猶予で済んだ物の完全に頭がおかしくなってしまい、破滅に追い込んだ
張本人が隣りに住んでいることも知らず、毎日毎日気味の悪い音を垂れ
流し続けている。

そんなことを思い出しながら、私は今日も残暑と言うには早すぎる暑さ
に包まれたこの部屋で、何もすることなく過ごしている。酷くのどが渇
いてきて、私は缶ジュースを買いに外に出て、買って部屋に戻ろうと階
段の1歩踏んだ瞬間、隣りのバンド男の部屋が謎のガス爆発で吹き飛ん
だ。男は死に、私の部屋も壁を突き破って木っ端微塵になっていた。私
は冷たく冷えた缶ジュースを片手に崩壊した部屋の真ん中でただ呆然と
立ち尽くしていた。

近代・風土精神病『伊勢湾病』

禁欲主義者、不幸主義者、嘔吐狂、六文銭常持者、バッドエンドフ
リークス並びに精神的シャム双生・サリドマイド(あざらし)・日
本脳炎・アトピー性皮膚炎・染色体異常・白血病児・風土精神病の
皆様今晩は。××××です、さようなら。

今年はインフルエンザは流行っているのだろうか? 私自身は罹っ
てはいないが、ここしばらく情報から完全に遮断されているので、
時事的な疾病傾向にも疎くなってしまいSARSはどうなったのかと
か、陰惨な殺人事件報道を見て夜中まで胸を焦がすような娯楽すら
喪失しつつあります。ところで、ある特定の単語を聴いてそこから
続く言葉を連想した場合、例えば近親ときたらやはり相姦が一番多
くて、憎悪は第二位らしい。「喪失」したと言えば無論処女ですね。

私は男ですので当然、処女喪失なんて物はありませんが、置き換え
れば精通になるのでしょうか? でもデモDEMO精通なんてのは希
少価値が無いですね、血液に比べたら、後にいくらでも出てくるわ
けですし。ちなみにこの間、男女共用の公衆便所に入ったら小便器
に血液の付着しまくった生理用品がブチまけ突っ込んでありまして
ね、びっくり。長渕わーるどで、また一歩デグラデーション、みた
いな。で、去来する下品な劣情よろしくそいつに放物線を描く液体
でどうにかすることもできましたが、まあ下品ですね、やめましょ
う。とまれ、だったら心の処女喪失及びその時期に目を向けてろ、
実はこの概念つい今さっきに生まれたばかりなんで、機会があれば
また言い及んでみたい。

元に戻って、この一年を振りかえって幸か不幸かロクに病気になっ
ていない。病気、病院、甘き響きなのか。幼児期の疾病にて誤診後
に母親から買い与えられる菓子類が楽しみで、飲まされる苦い液体
(精液ではない)に耐えていた日。合法的に学校が休める、少しで
も見飽きたツラにおさらばがしたくて熱雷の如き、目覚めの発熱を
祈って眠っていた夜。借り物の言葉なのですが”「病気」という言
葉は美しい、敗北主義に浸れるから、日本人向きですよ。包帯みた
いに真っ白で、ベトベト舐め合うのが大好き。同病相哀れみましょ
う。病気から生まれた連帯ほど前向きなのは無い”(遠藤ミチロウ
エッセイ集REMIXより抜粋)

上記のエッセイ集で興味深い項目があった。近代風土病「玉ネギ病」
という名前で見られるもので、はっきりとした定義まで言及されて
いないが、掻い摘んでまとめてみますと「理由も無く、悲しくもな
いのに何故か涙が止まらない」「記憶や幻想の中でも過去や思い出
が年をとり、突然現実にやってくる」「追い詰められて自暴自棄に
なった人間が、自閉症を併発すると玉ネギ病になる」「症状の重い
ヤツほど体や頭に悪い事しなければならない、放っておくと死ぬほ
ど健康になる」「唯一の治療法は死ぬこと」など己の奇異な精神状
態の一角をあらわしている複雑神経と判断させて頂きたい。成るほ
ど面白い話だ、詳しくは実際、御読みになって欲しい。値は張るが
過激なライヴ映像DVDも付いており @臓物推薦図書だと思います。

何よりこういう、どの学会にも認知されていない病気、どんな保険
も適用されないような病気を適当に考えるのは愉快なことだと思っ
た。もはや万人が神経症の昨今、ちょっとやそっとの病気では自慢
にすらならねえ。こうなってしまったら、サイエンス・フィクショ
ンみたいに手前勝手な世界を作ったり、シュミレーションゲームを
箱庭に誤造してみたり、レゴブロックで拷問部屋やソープランド
作ったり、脳内ガーデニング(pcb氏考案の脳内に仮想した空間に思
考や記憶などを植物に置き換えるという精神遊戯)のような行為を
参考にして、この世でただひとつの自分だけのオーダーメイドな病
気を一つや二つ所持しておきましょう。でないと、我ら低能屁以下
エセ・キチガイはみな淘汰されてしまう。自分はキチガイだと信じ
込んでた泡沫の日々も、青春の一ページになってしまう。

では、お立会い。ルポ・精神病棟風味にお届けする、病名は故郷に
因んで。

近代・風土精神疾患「伊勢湾病」

極東アジアの便所と言われる伊勢湾に面するM県I市を中心として、
その周辺地域で14年以上の生活をした者が発症する業病である。元
々、高位の霊格を誇る土地の為か、出生時点で業(カルマ)が軽減
されているのだが、そこであまって行き場を失った業が特定の胎児
に宿り、それを受けた胎児は先天的に伊勢湾病患者となる。生まれ
つき、三半規管が弱く乗り物酔いになり易い特徴としては人間的に
幼年期を超えた時点で老年期に入るため、肉体・精神の成長と退化
が同時進行する。取り分けて脳へのダメージが大きく、発病後約3
〜4年で右脳の機能が破綻をきたす。左脳の失調はやや遅れて、発
病後約6〜7年で勝手に過去の清算を始めだす。それが終わった後
は廃人同然になる予定だが、直接内臓系への影響は少ないため死に
は至らないが、細胞レベルでの憔悴が激しく発病後約10年あまり
で、労働、学習、生殖、睡眠、といった革命的な日常が実行不可能
に陥る。治療法は、御約束「死ぬ」ことである。以上。

グランジ日記 総集編

11/16

 教室でじっと座っていると酷くいたたまれなくなって視界が完全にふさがるまで深く帽子を被り、
弧を描く黒い幕の下から見える机や床を眺めていました。遠くから電車が走ってくる音が聞こえ、
その音厚が私とちょうど重なる瞬間に叫び声のようなブレーキ音が鼓膜を揺らすような大きさで耳
に響く。屋上のすべて飲み口をねじ切られた水道をひねると小さな噴水のように弱々しく水が盛り
上がり、久しぶりに雲の隙間から太陽が覗き楕円形を維持したまま流れ出る水道の水がそれをはね
返し、屈折した六角形の軌道が赤と青のグラデーションを映え彼方の森を突き抜け、雲が太陽を隠
しそれを遮った。肌寒い風が東から吹き始めそれに乗るように薄黒い雲が上空を覆い始め、滑走路
の下に立ちその上を飛行機が音も出さず通過して行くような不吉な映像が頭を過ぎあたりは灰色に
変わった。踵を返すと同時に冷たい物が肌に触れ、細かく痛点を狙い澄ますかのように頬を刺す雨
粒が降り始めた。

 傘はないがどうしようか。そんなことを不乱に考えている内に雨は止んだが、衣服に沁みこんだ
水分が腕や首元を蒸れさせているような不快感が付きまとい指で拭うと、己の指手の平の冷たさに
生温かい汗ばんだような肌が悲鳴をあげるように震え一瞬にしてその不快感は消えた。わずかな時
差を含み各所からベルの音が鳴り、散発的な震動が毛髪の先端を首を左右に揺らし半径5メートル
の狭い範囲の中の遠く方を眺めていた一日が終わりをむかえ先と同じように電車の音ブレーキ、階
段を駆け降りるバラバラと言う音と六角形の屈折した光と飛行機雲、丸い水ガラスの塊が頭の中で
晴れない灰色の雲に覆われ色を落とし音のない滑走路にまたひとり突っ立っているような不吉。

 再び電車の音ブレーキ、階段を駆け上がるバラバラという音と半径数センチまで縮められたより
狭い範囲の遠くを人と人の隙間を縫っては黒い幕に視界上部を遮り自分の胸と膝と足、床を見る。
上の飛行機が通過したようにトンネルを抜け地下から地上に出た瞬間、視界に入った風景に飲み込
まれて一秒間に満たない抜けた感覚は振り出しに戻るようにまたくり返しの位置。滑走路の真中心
に呆然と佇む人、人の木がコンクリートの地面に深々と根を突き刺し慣れた臆病躁鬱風にさらされ
るがままに、今日も明日も昨日のままただ不吉。


10/9

 髪の毛を切った。思いきってぼうず頭にした。それまで私は中途半端な長髪で色を抜いており、
ちょっとした食み出し者のような風貌であった。髪を切った理由は、左目に定期的にできる腫れ物
に前髪がかかって痛くて仕方なかったのと、明け方に何となく緩い躁状態になり切ってやるという
気分になったから。実家を出る時、こっそりと持ってきた理髪用のハサミで壁掛けの鏡に向かいな
がら、手鏡を片手に悪戦苦闘すること数時間、見事ざっくばらんに頭が丸まった。改めて鏡に向か
うと思わず私は噴いてしまった。その顔形は何かの本で見たネオナチの若造ようであり、さらに悪
く言えば映画などで見かける囚人その物だった。しばらく帽子を欠かせない生活が続きそうだ。

 髪の毛を切った日の朝はどこか自由になれた気がして。という出だしで始まる歌があり、この歌
が好きでその通り朝に髪を切ったわけなのだが、とくに変わった気持ちになりはしなかった。疲労
感のせいでそう感じてしまうのだろうか。窓を開くと冷たい風が入り込み、頭のあたりが寒い。秋
とはこのように寒いものだったのだろうか。1年前の今が暑いか寒いかなど、夏や冬をはさんでし
まえば体の方が忘れてゆくのだろう。それとも、関東は常にこのような気候なのだろうか。そのあ
たりが、私を自由になった気にさせない原因のひとつなのかも知れない。今日眠り次朝起きた時は
そのような気分になっていてはくれまいか、と思う。 体育の日をはさんで3日の連休が続いたが
とくに家も出ず、本も読まず何かに集中するということが無かった。でも、心の中は奇跡のような
平静さを持続させていて、如何に己の荒んだ部分を誇張し読み手を滅入らせるかに徹してきたこの
日記も、有り触れた日常を綴った散文になってしまいます。やはり、酷く胃が苦しいような時やど
うしようも無いくらいに心が腐っていたり日常的雑務追われている時ほど、殺すだの死ぬだの気違
いだのという言葉ばかりが浮かぶようで、書く物がそっくりそのまま心情を映す鏡であるという己
の単純さに少し溜息が漏れています。

 というのはすべて嘘で、むしろ精神的に余裕がある時ほど面白がって、脳内デスファイルを展開
させながら自由に人を殺めたり、狂わしたり、犯したり、暗黒大陸横断したり、平成の切り裂き魔
したり、やりたい放題なのですが今は無理なんです。そうです、私は現在すさまじく追い込まれて
いて、最悪の事態を迎えているんです。もう死んでしまいそうなんです。さっきちょっとハサミで
皮切ったら思った以上に血が出て焦ってたし、何かゲロ吐きに行こうとドア開けたらバコッとかい
ってドアノブごと取れたし、普通いきなりぼうず頭にするかよ。しかも、自分の中での最末期的症
状であるTVに向かって悪態をつく、が出てきたし。もうダメだ死にます。


10/6

 午前中は千駄ヶ谷の辺りをぶらぶらとうろついていた。通りかかったコンビニで無性にアイスク
リームが食べたくなり購入。カップに入ったヴァニラのアイスで、近くの公園のベンチに座って食
った。ものすごい勢いで食べた。口の中の温度が極端に下がり、頭の芯がわずかに痛む。あのぶっ
倒れそうな暑さはどこに行ったのだろうか、などと考えながら透けた雲を見上げていると急激に腹
が痛みだした。どうやら、冷たい物を一気に胃に入れたので腹が冷えたのだろう。少しばかり気味
の悪い冷や汗が出てきて、公園の隅にある饐えた公衆便所に入った。たいして汚れてはいないが、
四方の壁がまさに便所の落書きでいっぱいであった。暇潰しに読んでゆくと案の定、この電話番号
の女はすぐに股を開くだの、拙いがリアリティのある男性器や女性器がボールペン、鉛筆等で殴り
書きされていた。実を言うと僕は、別にこういう物を見てもなんにも腹が立たない。むしろ見てて
愉快千万。それは、僕がどぶ川精神の持ち主だからです。

 僕も彼らと一緒に、どぶ泥の湯に浸かろうとバッグから鉛筆を取り出し、どす黒い文字でhttp://
l.nevermind.tripod.comと書きました。えるどっとねぶぁーまいんどとらいぽっどこむと書きまし
た。その文字の羅列は、美しい体に生々と付けられた傷痕のように美しく見えました。やがて、途
切れ途切れにぷつぷつと耳鳴りのような物が聞こえてきます。ごきぶりの這う音が清々しい鐘の音
になり、うじむしの孵化する音が感動の拍手になり、べんじょばちの羽化する音がクラッカーの弾
ける音になります。これは、暖かい祝福の騒音なのかも知れない。でも、本当は願い下げです。こ
のきちがい野郎が。僕はそこまで落ちぶれてはいない。嘘です。嬉しくは無いのですが、少し安心
した。でも僕には、まだまだ勇気が足りないのです。

 数時間後、僕はチョコレートを頬張りながら帰路に着いていました。でも、寄り道して高い所に
上がりました。空を自在に滑空するこうもりの群れは、何もかも歪んで見えているのでしょうか。
何やら、壁にぶち当たって即死するこうもりも少なくないようですが。いつも歪んだ、じっとして
いる時は逆さまに、地に落ち今際の際に見る正しい風景は彼らにどう映るのでしょうか。死の引力
に足元をすくわれそうになりながら地上に降りると、連休を前に軽い足を弾ませている人たちがた
くさん居ます。頭上にはやはり、たくさんの優柔不断なこうもりが飛んでおり、僕に死の今際とい
うことをしつこく考えさせてきます。手を伸ばし奴らを捕らえて首をねじり、頭から噛んでやれば
奴らの芥子の脳が僕の足を軽くさせてくれると言うのに、知ってか知らづかこうもりたちは、反転
疾速をくり返しながら虚空より逆さ向きに僕を嘲っております。


10/5

 もう十日間ほど部屋の中に閉じ篭ったままだ。そろそろ、出不精の域を越え始めている。ずっと
だるい音楽ばかりかけていて、マイブラディヴァレンタインの空気に溶け込むような音の蠢きやざ
わめき、寄せ返す波のような不吉な音の反復が一掃人間の持つ機能を弛緩し続けているような気が
する。雨が降っているような気がしたのは、昨日かそのまた前か。晴れた陽光が眉間に刺さるよう
な痛みを与えたのは、昨日かその前か。酷く気を落としたのは、昨日、おとつい、今日も多分そう
だ。連日連夜、記憶による強姦を受けていて私は限界の際にまで来ていた。人は極限にまで追い込
まれると、どんな醜態を晒しても己の自我を保とうとする機能が働き、それが己の死であろうと社
会的に抹殺されることになろうと、

 とまで書いた所で、三日が経ってしまった。日記を途中で投げ出すことはよくあるのですが、ま
た再び書き始めるのは初めてです。この空白と呼んでもおかしくない三日の間、私に何が起こった
のかと言えば、思い出す事さえ耐えがたい苦痛であり、今だその陰惨な出来事は持続した状態であ
り、もはや上記のような極限の状態に追い込まれているんです。今日まで、虚実入り乱れて書き続
けてきた(消去分も含む)グランジ日記の中でも、もっともぎりぎりの所まで来ています。先ほど
から何度も頭の中を、死、自殺、殺人、強姦、発狂、という文字が融合分裂を繰り返し、表現する
事のできない感情意識となって責めぎあっています。今すぐ、とにかくどこかへ走り出したい気分
です、が。くたくたになっても、丸腰でも、歩く人を後ろから拾った石などで殴って殺すことはで
きます。 と書いた所で、さらに二日が過ぎました。事態はそれなりに、少しばかりの犠牲を払っ
た物の終息に向かっていました。今日、私は思考能力がろくに機能しないまま、朝の陽光を浴びな
がら自然と眠りにつきました。その時、私は恐ろしく長い夢のような物を見ました。年齢にそぐわ
ない、そでが爪の先まで隠すような大きな服を着た女の子が目の前で、そのそでをさんざん引き摺
られた挙句、殺されました。まだ幼い私は、それをただ傍観していました。やった男は。やった男
は私と同じ顔だった、という安易な物ではなく、ただ自分の将来を酷く悲観した挙句に、己の中で
構築した猟奇世界で繰り返される末端映像に過ぎないのかも知れない、と思った。

 そでの長い大きな服をきた女の子は、成長及び立身への背伸び行為の表われと、内的女性の反発
を意味しているようだった。傍観する幼い自分は、自己投擲の術を持たない憤りと、私自身の甘え
の象徴かも知れない。殺す男は、私の周囲を取り囲む乗り越えることのできない現実の壁であり、
私の投げ出してきた事が積もり積もってできた障害物である気がする。私の夢の中での出来事は、
自殺願望から来る物でも殺人願望から来る物でも無かった。私の猟奇世界を徘徊する殺す男を殺し、
私がその役目を奪い取り支配するのが、今の自分に課せられた唯一の目標であり、いつの日かその
役目を手に入れ、そしてその役目を追われることになったら、それが多分、私の最後なのだろう。


9/28

 街角は秋の色に染まっています。今日もろくでも無い一日が終わろうとしていて、私は永久に続
く嘔吐感のようなものに悩まされています。一日一日が無味乾燥の連続で、如何に今日は意味有る
日を過ごしたかを競い合う人、人の群れが私の存在を少しずつ少しずつ削り取っていきます。朝食
を取った日の朝、昨日見た夢の解釈に心血を注ぎ出た結論が、死んでしまいたい、という願望から
来るものだと分かり愕然とした。だからと言って、手首に刃物を当てたり、水をたくさん飲んだり
するような真似はしませんでした。ただ歯を磨いたり、髪の毛を切ったり、部屋を掃除したり、服
を洗濯したり、食事を作って食べたり、それはすごく虚しくて、気が付くとずっと椅子に座ったり
絵筆を口に突っ込んだりしています。

 秋の長雨も終わり、夜には涼しい風が吹き、でも無意識の内に冷房のスイッチを押していたり、
半袖半ズボンで外に出たり、季節の変わり目は色々と奇行を犯しがちですが、やはり今日も無意識
のまま近所の寂れた遊園地に行ってしまいました。恐ろしく貧相な観覧車が見え、柵の外から覗け
る煤けたメリーゴーランドやコースターが何か特殊な施設のように見え、人影は無くとても不気味
な隔離空間としてそこに存在していました。当然、中に入る気など沸かず、ただ気の触れた人と行
けばそれなりに楽しめるのかも知れないと思った。そう言えば、ノイローゼになってしまった友達
にディズニーランドへ行こうと誘われるとかいう歌があったきがする。例えたらそのような感じ。

 ここ一週間ほど、私は誰とも話していないことに気付いた。そしてこのように文章ばかりを書い
ているのだが、次第に話し言葉という物を忘れていってるような気がしてならない。たまに人と話
したりすると、何だか自分が喋っている実感が沸かず、相手にも伝わり難いようで何度も聞き直さ
れたりする。いっそのこと唖にでもなった方が楽なのかもしれないと思うが、口を突いて、死ね、
殺す、と言えなくなるのは少し寂しい気がした。今さっき、死ね、殺す、とつぶやいてみたが酷く
まぬけのように聞こえた。もう一度、死ね、殺す。実感が沸かない。死ね、殺す。いまいちだ。死
ね、殺す。まだまだだ。死ね、殺す。死ね、殺す。死ね、殺す。死ね、殺す。死ね、殺す。死ね、
殺す。死ね、殺す。死ね、殺す。しね、ころす。しね、ころす。しね、ころす。しね、ころす。し
ね、ころす。しね、ころす。しね、ころす。しね、ころす。しね、ころす。しね、ころす。しね、
ころす。しね、ころす。しね、ころす。しね、ころすしねころすしねころすしねころすしねころす
しねころすしねころすしねころすしねころすしねころすしねころすしねころすしねころすしねころ
すしねころす


9/23

 物を食ったら吐いた。消化液と胃の内容物をコーラのペットボトルに小刻みに吐き出してゆく。
半分くらいのところまで溜まった。最近、毎日酒を飲むようになって200円で釣りの来るワンカッ
プ焼酎を2日に1本ペースで空けるようになった。私は酷い下戸でその程度で十分に酔えた。中島ら
もの「今夜すべてのバーで」というアルコール中毒を主題にした小説を読んだ事があり飲酒による
憂さ晴らしの危険性みたいな物は承知しているのだが、この小刻みな嘔吐の原因はやはりそれにあ
るのだろうか。身体の衰弱も激しい。5月の頃には56kgあった体重が今では50kgを切りそうな勢い
で減少している。肌に張りが無くなり、人に頬がこけ過ぎていると言われ、食欲性欲も奮わず、人
と話すのが常に億劫で、論えば切りは無いが都市生活者に限らずこんな状態に身を置いているのは
何も珍しい事ではないだろう。日がな寝台に身を預け虚空を眺め、ステレオから流れる質の悪い和
音に眠気を催し昼夜問わず眠る。胃薬をばりばりと噛んで飲み、温い水道水で流し込み5分もすれ
ば昨日食べたパンのどろどろとした物が込み上げ、指を咽喉に突っ込み洗面所で吐き出し口の端か
ら垂れた涎を手で拭いながら顔を洗えば眩暈がして陽光の果てに見る絶望失望諦念燥焦すべてがめ
ちゃくちゃな最早言葉にならんもうだめだ。

 まだまだ年端の行かない頃、車に乗るたびに酔ってゲロ吐き家族から忌み嫌われていた。私は車
に乗っている最中に 2度吐くゲロを2度ゲロと呼んで恐れていた。1度目より遥かに苦しいからであ
る。この苦しさが誰にも伝わらず、私は一人自立心を磨いたは良い物のその地獄でみた苦痛に対す
る強迫が今もなお私にとってはもう怖いのではなく、これは最早憎しみ、憎しみである。私をもう
2度と苦しめないでください。死ぬのが怖いから私は死ぬ事が出来ません痛いのが怖いです僕はも
う弱い存在ですからもう許してください。ふざけるな、なめるんじゃねえ、殺してやる、くたばれ
あほ。すいません、もうしません。今日渋谷のタワーレコードに行ったら変なあほが踊ってて試聴
できませんでした。あほじゃねえの? ふいざけるな、何でお前の為に俺が試聴できなきゃらなら
んのだ。なんだそのぼうしはげいじゅつかきどりかてめえはかんこくじんかよ、な滲んだ4手壊疽
の踊りヤメロヨ俺に試聴させろ。

 めくら女を1年間放置した理由を僕に教えて下さい。めくら女と図書館行った時結構、喜びまし
た。東京に来てからこんなに良いことはありませんでした。僕はいつも虐げられてきました。でも
その倍くらい虐げてきました。私はサディストです。僕はヴィヨンの妻を犯します。商店街の太宰
治は今日もラリッていて、僕に根性焼きを強要してきて困ります。太宰はショートピースを吸いな
がら堕罪について僕に講釈を垂れました。ぎゃははは。僕が笑うと太宰も破顔で笑いました。ぎゃ
ははは。ぎゃはははは。夕暮れの商店街を歩く人たちが僕たちをあほを見るような眼で、軽蔑と羨
望の眼差しで見つめていました。さようなら、僕の躁病患者時代。そしてありがとう。祝辞を述べ
た僕は、喜んで手元にあったエチルを一気に飲み干しました。そして、ぶっ倒れました。ぎゃはは
ははは。太宰が笑ってます。それは答辞だった。ぎゃははは。僕も笑います。ぎゃははは。太宰も
エチルを一気に飲みます。やはりぶっ倒れます。ぎゃははは。芥川先生がブロバリン持って2階から
降りてきました。すでにらりっていて何言ってるの理解できません。それを奪い取って噛み砕いて
飲みました。地面にこぼれたやつを太宰が拾って飲んでます。ぎゃははは。えちるをもう一杯。
ぎゃははは。


3/24

 最近、五感を働かせるたびに無意味なデジャヴに悩まされ続けている。こうやってモニターを前
に座っている時や何気に音楽を聴いている時など、何時でも何処でも感じられる。何か別の意識が
混入しているのだろうか。何かするたび、どうでもいい懐かしさに捕らわれ感傷的な気分になり、
訳の分からない事で胸を締めつけられる思いをする。締めつける思いと言っても恋愛的なものでは
なく、後悔や憂愁といったものばかりで、そんな物をしょっちゅう味合わされるのは苦痛以外の何
物でもない。記憶の許容量に限界が来て、少しづつ意識の外に漏れ出してそういった状態に陥るの
かもしれない。思えば私も長く生きたし、色々な事を思い出すのも良いのかもしれない。しかし、
これから先を築いていく意志はほとんど無い。私はこのまま朽ち果てるのだろう。もう、前へ進む
事ができない。誰による甘い言葉も辛い言葉も聞く気がしない。私は私ではない。放棄する。

 部屋にいると空を飛ぶヘリコプターの音が部屋全体を振動させ、ベットで横になっている私の目
を覚まさせた。さっきまで雨が降っていたのに、今は雲の隙間から弱々しい太陽が漏れ出して、滅
多に陽の光が入り込まない冷えたこの部屋に僅かながらの暖かさが漂った。でも、流れの速い雲に
よってあっという間に覆い隠されてしまい陽の光は閉ざされて消えた。6:4の割合で目を開けてい
ると、何か得体の知れない巨大な不安の固まりのような物が私の全てを飲み込み始め、あたかも全
身を緊縛されような非常に不快な感情が沸き起こると共に、あまりの不安さに泣きそうになり全て
を投げ出したくなった。でも、何ができるわけでもない。過ぎるのをぢっと待つことしかできない。
私はその間中、何処か、今居る此処とは違う遠くに行こうと考えたのに、くだらない世俗的な意識
に阻害されて何もできないでいる。どちらにせよ、私は放棄したし、諦めてしまった。逃げた先に
は何も無いはずだが、今此処にも何も無い。私は空を飛ぶ方法は知らないが、空から落ちる方法だ
けは知っている。


1/8

 この最低の人間! と言われた事は何度かあります。11歳の時、クラスメート全員の前で担任教
師に言われました。でも、私は嬉しかった。初めて、人前で悪になれた。思い起こせば、10年近く
前の事。幼稚園や小学校低学年の頃、よく大掛かりな劇をやらされていました。ある時、ピーター
パンの劇をやる事になり、配役を決める事になった。昔から、悪役に憧れていた私は、是非とも敵
方である海賊を演じたかった。しかし、向いていないという理由で、森のクマという居ても居なく
ても良いような役に決められました。その時の憤慨といえば、幼年期時分には大変な悪影響であっ
た事は言うまでもありません。その時、心に誓いました。外見で悪と判断されないなら、内部から
悪になってやると。その誓いを忠実に実行し、この最低の人間! と言われる事を誇りに感じまし
た。そんな誓いも、時が経つとゆるやかに消えていって、近頃は、この最低の人間! と言われる
ような事はほとんど無くなりました。でも、その時の誓いは今も心の中で小さく燻っていて、しば
しば私に小悪党な言動を行わせます。何故、私を歪ませたのですか。何故、私は歪ませてしまった
のか。私は、ただ、悪役を演じてみたかっただけなんだ。

 今から眠ることにします。正午までは起こさないように願います。眠ると、いつも夢を見るので
すが、やはり、悪夢です。目が覚めて、夢で良かった、と胸をなでおろしてばかりです。もはや、
悪夢を通り越して別の何かを見せられているような気さえします。しかし、酷く疲れている時に、
一度だけ良い夢を見た事があります。でも、それは人に言わせれば悪夢以外の何物でもありません。
やっぱり、今日は正午まで起きていることにします。

 このような、不条理な感性で日常を生きるのは、楽しいですが、少し寂しいです。普通の感性で
非日常を生きるのは、酷い苦痛ですね、死んだ方がいいよ。私は、何も生産的な事はせず、ここ半
月ほど暮らしてきました。私はこのままどうなるのだろうか? なんて考えるような真似はしてま
せんが、どうなるのだろうか。貴方や私は。いつの日か、知らず知らずの内、夕陽を背景にすれ違
いたいですね。意味なんて全然無いんだけど。まあ、明日は良い天気でありますように、と祈りま
す。まだ、冬の陽射しという物を味わっていないから。心の残りだ。春なんか来るな。夏休みなん
かは永遠に来ない。永遠に続くのは冬休み。明日はクリスマス。昨日は元旦。今日は大晦日。


11/13

 今日やさぐれて1日中部屋で寝ていると、何時の間にか18時間も眠っていた。昨日も15時間ほど
寝ていた、そろそろ腐ってくるかもしれない。起きても体からはまったく動く力が沸かず、眠れぬ
ままボーっとしていた。何物にも束縛されず、このままゆっくりと存在が消えてしまわないかと願
った。未来を失ってしまえば、そこに罪は無いと思った。それでも、このままではせっかくの休日
が無駄になると、起きだしている自分はやはり俗物なのだろう。

 厚着をして、とくに行く宛てはないが夜の町へと出かけた。大きな本屋に入ったが、数分経つと
閉店を告げる蛍の光が流れ始めた。少ししか読んでおらず、名残惜しかったが店を後にした。 暫
く走り、公園のベンチに座って傍の大きな池を眺めながらタバコを吸い始めた。とても静寂で、人
1人いないここで徐に本屋から持ってきたフリーペーパーを読み始めた。他愛も無い内容で、タバ
コの火で穴をあけて弄んだ後、池に捨てた。私は、真っ暗で独りベンチに座る自分を見て映画のワ
ンシーンのようだと思った。


11/10

 はいどうも、リチウムです。今日は何も書くべきような事がありませんでした。何か伝えたい事
は無かったのか? 何か訴えかけたい事はなかったのか? 何か吠えるような事は無かったのか?
在りませんでした。 私はただ座って時間が流れるのを待っているだけでした。その間、「教科書
持ってきてません」「半世紀も前の新聞なんか持ってくるな」などといった、毒にも薬にもならな
い台詞を半覚醒の状態で呟くだけでした。昼飯を9時の時点で平らげ、もはや後は何もやる気無し。
全員死ね馬鹿、奴隷、家畜、蛆虫、お前がだ、悪かったな、テメエもだ、忘れないでくれよ。


11/9

 今日、面白いことが起こりそうだったのに不発に終わりました。授業中、不良っぽい奴がプライ
ドが高そうな普通の男に「その服変やなあ」、と言ったら普通の男が無視して、不良っぽい奴が頭
にきてこれ見よがしに大声で「その服最悪、最低、1000円貰っても着やん、恥ずかしくて人前に出
られやんわ」などとクラスメート全員に聞こえるよう大声で連発し始め、その普通の男も切れる寸
前なのが表情で分かりました。教室には妙な緊迫感が走り、静まり返りました。私は心の中で「い
け! 切れろ! 殴りかかれ! シャーペンで刺せ! 両方とも血まみれになって殴りあえ!」、
などと必死に煽りました。しかし、いい所で教師が止めに入りこの場は収まりました。


11/1

 今日学校に行ったのですが、筆記用具全部忘れてしまいました。元々やる気なんて無いんですが、
やる振りくらいはしているので少し困りましたね。そんな事はお構い無しに授業が始まりました。
いつもは利き手にシャーペンを持っているのですが、持っていないので腕を枕にして寝ていました。

 しばらくして、ふと眼を開けて周りを見ると、私以外の全員が一心不乱に黒板を書き写している
ではないか。教師の声だけが響き、生徒たちは黙ってシャーペンを走らせている。それもそうだ、
今は受験直前で皆必死なのだから。こんなに腑抜けているの自分だけで十分だ、と考えてみた。
そして、私はただ、彼らをボーっと眺めていました。その時なんだか、世界中で一人取り残された
ような気がしました。頭をぐっともたげて、再び目を閉じようとしましたが、必死に閉じようとし
ましたが、なんでだか閉じられませんでした。シャーペンを持っていないことだけで、これだけの
疎外感を味わうことになろうとは夢にも思わなかった。それからという物、奇妙な焦燥にかられ、
落ち着くんだ落ち着くんだ、とブツブツと音を立てて爪を噛んだ。


10/28

 昨日は体調を崩して学校に行かなかった、今日も面倒だったので最後の方の授業だけ出ようと思
って家で寝ていた。そして、適当な時間まで寝て学校へ向かった。遅刻の手続きをとって、教室に
入ったが誰も居なかった。おかしいなと思って少し考えたら、5時間目は体育だったのだ。 私は
体育の授業に向かう気がせず、1人教室でボーっと座っていた。あまりにヒマなので、社会科の地
図帳を取り出して世界地図を眺め始めた。アジアから始まり、アフリカ、ヨーロッパ、中近東、オ
セアニア、アメリカ大陸、頭の中で「何処へでも行ける、何処へでも行ける」とつぶやきながら10
0マイル単位で眼走破していった。


10/22

 極度の睡魔に襲われベットに倒れ込んだら、堅い部分で後頭部を強打して半気絶状態でもがき狂
死んだ。そのまま、気絶したのか眠ってしまったのかは解らないが、目が醒めた時には数時間が経
過していた。


11/12

 今日は学校に行かない、理由はバカだから。クラスメイト達は愚痴ってるくせに大人しく授業を
受けている、私は愚痴を言わずに授業を受けない事にする。というか、雨が降ってるから自転車に
乗りたくない。昨日、自分の行動を正当化するため「レールの理論」という物を編み出しました。
当然ここでは割愛するが、これにより今まで私の中で処理できなかった不安神経の大部分を抹殺す
る事ができた。これは、いつか匿名でミッション系掲示板に公開するつもりだが、即刻削除される
のは目に見えているのでお蔵入りにします。


12/26

 年賀状を書きました。ネットで拾ってきた死体画像・宇宙人画像・人間之幼虫画像・畸形画像・
その他を年賀はがきに気の趣くままにコラージュ。怨師・疎縁になった友人知人等に送りつける。


12/24

 クリスマス・イヴです。ケーキ屋の娘さんにババロアを貰って悦んで喰ったら、毒を盛られたよ
うで死ぬほど苦しみました。あのがき必ず犯す。


9/10

 学校の教師がむかついたので早退した。ヤロー轢かれて死なねえかな。帰る時にまた道端で猫が
車に轢かれて死んでいた、この猫の代わりに轢かれて死んでくれ。


9/9

 俺は酒が飲めないので酩酊する事ができない。だから、理性を解放する手段を持っていない。そ
こで、自分の中に溜まったヘドロを吐き出す場所としてリチウムを作った。