VIOLENT VIDEO INFO ARCHIVE

本拠は http://m4oism.org/xxx

猟玩狂時代II(海月水母の海岸線)

8月22日、我が731シアトルの夏季臨海実験が鳥羽方面
で実施された。実験場は安楽島海岸という安楽自殺みたいな
名前の海岸で、志摩半島特有のリアス式海岸に突き出た『う
なかみのがけ』などは、飛び降り自殺にはうってつけの高度
と景観を誇っている。

今回の野外実験では、ひさびさに己の猟玩者としてのセンス
が余すこと無く発揮される結果となった。海岸は夏もピーク
を過ぎたせいかあまり人が居らず、その代わりに人間たちの
浸入を阻止するかの如く大量のクラゲが機雷のように海岸線
を埋め尽くしていた。

私はこのように無駄に数だけ多い生命体(とくに水棲)を見
ると幼き日に形成されたA−10神経直通の回路が開き、老
廃し切った細胞が一時的に活性化するようになっている。こ
れは幻海師範が霊丸を撃つとき一瞬若返るようなモノだ。

最初、私は海岸に面した雑木林から適当な小枝を1本入手し
The Flippers Guitar−ワイルドワイルド・サマーよろしく
足首まで海に浸かった。私はその位置から手にした小枝で、
冷静に次々とクラゲを刺殺していった(背後に立つスタンド
はシルバー・チャリオッツ)。

クラゲの軟体を刺したときの手応えというか歯応えというか
ソレはなかなかクセになる感触ではあったが、このクラゲと
いう生物はイキモノというよりも植物に近い印象だったので
生命体の命を屠っているというよりは、学校の帰り道、歩行
する際に生じる力で雑草類を引き千切りながら家まで歩くと
きの心象に近かった。

越前クラゲなどの害に悩まされている日本海側の漁師組合に
は、このクラゲを小児向けの嗜虐物として販売することを勧
めたい。ウェイトはデカいが、血も出ないし内臓も飛び出な
いので後始末も簡単。ハムスターやネコに代わるオルタネイ
ティヴな存在として有効活用してはどうだろうか?コスト
をかけて食物にしたりするより、その方がお金が儲かります。

そろそろ刺殺するのにも飽きてきたので、私は小枝に刺した
クラゲを海に向かって投擲した。3〜4メートルほど飛んで
水飛沫があがる。その光景に沖の方で仲良くゴムボートを漕
ぐカップルの姿が重なる。その瞬間、私の中でひらめくモノ
があった。

私は同行した2名の研究員を呼び付けると、すぐさま海の家
へ行ってゴムボートをレンタルしてくることを指示した。ビ
キニ姿の女のケツを追うしか興味の無いような人間が、渋々
とゴムボートを借りてくると、私はそれに乗って5メートル
ほど沖に向かうことを指示した。

彼らが指定の配置に着くと、私は足元を漂う大きなクラゲを
手づかみで取りボートに向けて猛烈な勢いで投げ付けた。ク
ラゲはボートの近くに着水すると大きな水柱をあげた。する
とボートの乗員から「やめろ!」「死ね!」「キチガイ!」
などと罵声が飛んでくる。私はそんなモノには構わず次々と
クラゲを投げ始めた。

クラゲがボートに当たると「ボンッ」と大きな音がしクラゲ
がボート内に突入しようものなら乗員は大混乱だ。私は狂笑
しながら周囲のクラゲを投げ続けた。しかし、乗員もさるも
のでボートのオールを使い飛来してくるクラゲを器用に打ち
返し始めた。これは面白い、名前を付けておこう。
『海岸』『ボート』『砲撃』『上陸』=ノルマンディー上陸
という連想で私は是をノルマンディー上陸ごっこと命名した。

初めは怒りに狂ったツラの乗員たちも、この面白さを理解し
てくれたのか戦闘を愉しむいくさ人の顔になっていた。私も
攻撃してばかりではアレなのでボート側にまわった。
防御も砲撃側に劣らず面白い。ブヨブヨした気味の悪いクラ
ゲが顔面を直撃したりもするが、オールで上手くヒットさせ
るとクラゲは空中でゼリー状の肉体をバラバラに飛び散らせ
太陽の光でキラキラ光る。なんて爽快なスプラッター。

私たちは、それから帰る直前まで2時間もノルマンディー上
陸ごっこに興じた。いい年をした大人が、家族連れやカップ
ルでしめやかに賑わう海岸でこのような行為に没頭していて
は低能のそしりは免れないであろうが、何とも代え難い一時
であった。

こういうのを童心に帰ると言うのだろう。砂浜と海面には風
穴の空いたクラゲとその肉片が散乱し軽く悲惨な光景になっ
ていた。そして、海に沈む太陽を背に静かに実験は終わった。