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北京の歩き方 1

上海、北京、台湾を含めて4度目の中国旅行をした。
年齢を重ねると保守的になるのは避け難いが、同時にあらゆる物事
に刺激を感じ無くなる。
とくに私のような人生に目的を持たない人間は、そういう状態が続
くと重大な精神の不調をきたす。それに対する有効な解決策を私は
海外渡航に見出した。

ヨーロッパは遠く、渡航費は高い。しかし中国は近く、渡航費も工
夫すればいくらでも安くできる。
正直な話、私は殊更に中国や中国人が好きな訳ではない。元々ほと
んど会話の無い旅をしているが、今回はもっとも口数が少なかった。
ではなぜ何度も行くのか? 思うに私は、

世界の最先端を行くような街の風景もあれば、地下鉄と徒歩で少し
郊外に出向けば、まるで核戦争後のように荒廃した風景もある。今
ではすっかり資本主義化したが、社会主義や古代の名残りは、人々
や建物や制度に色濃く残っている。
そういう混然とした場所を、言葉も通じない連中どもを尻目に、勝
手に放浪するのが無性に愉しいことを今回痛感した。

■旅の概要

北京は2度目の訪問になる。前回はオリンピック前で、行動時間は
実質1日だけだったので未練があった。

そんな折、9800円の格安チケットを発見し再訪を決めた。念の
ため価格は航空券のみで、燃油サーチャージや空港使用料、その他
諸々で2万2千円ほどかかった。航空会社はデルタ。

ホテルは安ければ1泊2000円程からあるが、外語力が皆無なの
で日系の京倫ホテルという所を取った。1泊6000円(朝食なし)
で3泊1万8千円。JTBの事前払いを使ったので合計2万ほど。

これに成田までの交通費やら何やらで約5万円ほどかかった。格安
チケットは夜着、朝発なので実質の行動期間は2日間。

■入国からホテルへ

出入国は「地球の歩き方」を読めば問題無いが、個人的につまづい
た点を書く。

機体チェックで成田の出発が遅れ、北京着が30分以上遅れた。空
港から市内までは直通の地下鉄があり、24時程までは走っている。
しかし、市内の地下鉄は23時あたりで終電になるため「三元橋駅」
や「東直門駅」近くのホテルを取っていない限り、ホテルまでタク
シーを使うしかない。
真冬の北京の夜は、気温マイナス10℃以下になるので、徒歩など
は自殺行為である。

地下鉄駅の周辺ではタクシーが客引きをやっているが、どれもガラ
の悪そうな連中でここは避けた。寒さに耐えながら大通りまで歩い
て、適当なタクシーを止めるが乗車拒否。
ぐずぐずしてたら凍死するので、ヒマそうに煙草吸ってるオッサン
に声をかけ、ホテル近くの地下鉄駅の名前を連呼してたら乗れた。

しかし運転が荒い。邪魔な車にクラクションや罵声を浴びせ続ける。
深夜のタクシーは皆こうなのかも知れない。だが、適正価格で望み
通りの場所まで着いた。私を凍死から救った礼としてチップ2元や
る。当時1元は13円ほど。地下鉄の料金は一律2元なので礼には
十分だろう。

ホテルはそこから徒歩3分ほど。天安門広場まで地下鉄で10分足
らずと立地は良い。到着時間は24時を超えていた。

深夜は日本語スタッフが居ないので、チェックイン時の英語を確認。
フロント係は若い中国女だったが、パスポートと予約証書を見せた
ら、「1ナイト」とかホザきやがったので、温厚な私にしては珍し
く強い調子で、「3ナイト!」と言ったら調べ直して、予約通りの
3泊になった。

ここでデポジット(保証金)を払うのだが、上海の時は100元だ
ったので、空港で両替した700元があれば十分だと思ったら、1
000元を要求された。なのでその場で日本円を両替してもらった。
制度が変わったのか、ホテルによって異なるのか分からないが、こ
ういう不測の事態はわりと疲れる。

カードキーを受け取り自分の部屋に向かう。気候のせいなのか、設
備のせいなのか知らないが、触れる金属すべてで強烈な静電気が発
生する。エレベーターのボタン、ドアノブなど、これがけっこう痛
く滞在中ずっと悩まされた。静電気のたまりやすい体質の人はそれ
用の手袋など用意しても損は無いだろう。

日本の自宅を出発して10時間が経っていた。ちなみに時差は日本
のマイナス1時間。部屋のミニバーでビールを飲み、テレビと一体
型のPCでネットをやる。それから浴槽のある風呂に入る。居心地
は良い。今まで行ったホテルで一番かも知れない。

■交通事情+買い物

相変わらず徹底的な車優先である。前回では気付かなかったが、上
海と負けず劣らずゆっくりできない。日中も気温は0℃以下なので
長時間の外出時は、体が冷え切って動かないので注意が必要だ。

オフシーズンの平日とはいえ、中心部は地下鉄もバスも車も自転車
も人もかなり多い。オリンピックの効果か、心なしかマナーは向上
しているように思われるが、車やバイクは相変わらずなので跳ねら
れないように。

現在、地下鉄ではすべての駅で荷物のX線検査を行っており、財布
程度なら問題無いが、バッグ状の物はすべて通す必要がある。普通
なら刃物でも持っていない限り止められる事は無いだろう。
バスと地下以外の鉄道は1度も使わなかったので感想無し。

北京は上海と違い、コンビニが少ないように感じた。私のホテルが
オフィス街だったのもあるが、他の地域でもファミリーマートやロ
ーソンは見掛けなかった。
外国人向けスーパーマーケットはあるが、価格が高く1度しか使わ
なかった。地元民向け商店はイマイチ入りづらい。路上や駅前の売
店は価格表示が無く、交渉が面倒そうなのでパスした。

よって食品類は主にホテルで調達し、必要に応じて携帯した。今回
は買い物自体ほとんどしていない。

以上、滞在中の私見でした。次回は以下を綴っていきたい。

1日目、完全ノープランの北京徘徊。
2日目、血迷った盧溝橋への徒歩旅行。

ライトアップされた天安門
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