VIOLENT VIDEO INFO ARCHIVE

本拠は http://m4oism.org/xxx

ファミコン探偵倶楽部について

ゲームショップをフラフラ徘徊していたら突然、ファミコン
探偵倶楽部(以下ファミ探)のBGMが聞こえてきて背筋が
寒くなった。ファミ探とはむかし任天堂ディスクシステム
発売された、今で言うサウンドノベル形式のゲームだ。いく
つになってもあのゲームの音楽は慣れない。慣れないと言う
か、聴覚へ通す前に特定の精神回路を遮断しないと聞くに耐
えない。それは私がまだ駆け出しの頃、高強烈度の屍体画像
をブラウザで開く前に一呼吸入れていたのと同じ所作だった。

どうやらGAME BOYアドヴァンスあたりで復刻されたらしいが
幼年期にディスクシステムで兄がやっているのを傍で見てお
り当時、まだロクに知能が発達していなかった私には到底プ
レイはできず、TVモニタを恐怖と羨望の目で見詰めていた。
初めてプレイができたのは中学生になってからだった。PC
マニアの知人からエミュレーターとロムの入ったフロッピー
を譲ってもらい、父親のマシンでやった。

私はこれにGTAをヤルまで越えられないショックを受けた。
システムやシナリオといったゲーム自体の完成度もさること
ながら、その音響の薄気味悪さにハイティーンにもなった私
は便所に行けなくなった。それはペットボトルに出すことさ
え厭わないほど怖かった。現在の己は視覚的な軋轢に対する
免疫はクエストクラスに達したが、ファミ探BGMの音響心
理作戦を克服できないで居るのを鑑みると、聴覚的には依然
プロレタリアクラスのままのようだ。

己としては、今まであらゆる恐怖を売りにした創造物を摂取
してきたつもりだが、このファミ探のBGM(意外なコトや
奇妙なコトが起こると鳴る効果音も嫌らしい)以上にビビら
されたことは無かった。それも視覚ではなく言葉でもなく音
だけによってだ。こうなると、かつて共産国が捕虜の洗脳や
反体制者への再教育を行う際、その初期段階である『解凍』
にて用いたと言われる「人格崩壊を誘引させるテープ」と聞
き比べてみたくなる。

私の場合一番効果的なのは、真っ暗なせまい部屋に閉じ込め
られて「死体のテーマ」「神楽寺のテーマ」「土蔵のテーマ」
「キクの手鏡のテーマ」などを三日三晩も流し続け、不規則
的に『!』と『?』のSEを入れられたら、次の日から俺は
野球をするだろうし、自家製の突撃錠も全部捨てるだろうし
人類絶滅主義日本敗北者党も解散するだろう。でも、まだ部
屋で独りずっと臭いメシを食っていたいので、朝を待って再
プレイを始めたい。今宵はこれにて、、、