VIOLENT VIDEO INFO ARCHIVE

本拠は http://m4oism.org/xxx

南蛮渡来のイカレたヤツ

くだらない事になった。
夜中に頭がテンパり、ベッドの上で速度の速い音楽にあわせ
て痙攣していたら誤って携帯電話を蹴り壊してしまった。昨
今、不要な出費を慎んでいたため自分の愚行を罵ったが、携
帯電話が無いと時報・天気予報・目覚まし時計といった生活
に必要不可欠な項目が抜け落ちてしまうので、だるいが新し
いのに買い換えた。

古い機種のを長く使っていた為、最新の機種など縁も興味も
無かったがカメラが付いているのには驚いた。

使い勝手が良く、ふと街中で小動物の轢死体を見かけたり、
うっかり殺傷事件などを犯しても、それを持ち前の直感映像
素質だけでカヴァーするのには限界があり、その一瞬の貴重
な映像を素早く鮮明に記録するのにこれはうってつけの機能
であった。

やはり人間の記憶には限りが有りその貴重な容量は、

「人間の体内から無数の寄生虫が食い破って出てきた」
「幼女が無数のクソオタに金属バットで撲殺されている」
「犯人のアリバイを崩すため、ババアの墓を掘り返したら孫
 の死体が入ってた」
「等身大エイリアン人形に対し性的ピグマリオニズムの行使」
「眼前に水爆が投下され、その瞬間に生じる物理学的奇跡」
「一ヶ村、焼き尽くし皆殺し犯し殺し吊るし殺し、エル・ト
 ポまたはポル・ポト状態」

と言った、ここぞという時にのみ使用した方が後々より人間
としての深みが増す因子となるだろう。トラウマと経験は同
義である。

私は空気銃を手に入れた中産階級のクソガキのような気持ち
になり、これから出遭う楽しいできごとを思い、胸が震えて
いた。この感情が淡く消え去らないよう、私は枕の裏に仕込
んである最新の死体写真集を読み始めた。こいつは南蛮渡来
の根こそぎイカレたブツで、どいつもこいつもヤバイ状態で
五臓六腑を床にブチまけている。

オマエの頭を開いてちょっと気軽になって楽しめ〜、などと
口ずさみながら、私は割れた頭部から白い脳味噌のはみ出し
たワンショットじっと眺めていた。久々に神経のトブ音が聞
こえて、それを皮切りに携帯電話のカメラ機能をONにし雑誌
の中からお気に召すまま、何枚も慎重に撮影していった。ア
タマの中のフィールドが軽い紛争地帯と化し、私はネクロフ
ィリアックな戦場カメラマンか、または餓え果てたハイエナ
と成りまして、そこをご機嫌よろしく徘徊し自由気ままに死
体を探す。

簡素なヘッド・トリップを終えた私はいくつかの画像を吟味
し、己のセンスを信じてもっともクールな一枚を選び出し、
携帯電話の待ち受け画像に設定した。見ると、適度に質の悪
い画像が被写体をよりよく引き出している。暫くの間はこれ
を身に潜ませての生活が続くのだろう、私はこの感覚を味わ
いたかった。

併せて、ポケットに刺突用ナイフやスタンガンを忍ばせるの
に飽きたり、時代遅れを感じたりするような、ワンランク上
を目指す芯から頭の腐った青少年に以上のような行為につい
ての一考を勧めてみたくもなる夜であった。